ヘッドホン:MDR-CD900stの低音不足問題(2)

MDR-CD900stの低音不足問題 Part2ということで、前回ブログを書いた時から認識の変化があったので追加で書きます。

  • MDR-CD900stは、音楽業界で多数使われているらしい(私は一般会社員なので知る由も無し)ですが、いろいろ言われているのは大体こんなところなのではないでしょうか?
    • プレーヤーが使用するフィードバックモニター
    • 音声編集(カット&ペースト等)時に、ヒスノイズ、スクラッチノイズを容易にする
    • 低音の量感不足
    • 私は量感不足とは思わないけど...
    • 音場がコンパクト
    • 録音チェック用途
    • マイクロホンのダイヤフラムの音を聞くためのもの
  • ヨドバシカメラ秋葉原店で、MDR-CD900stMDR-7506を聴き比べる機会がありました。MDR-CD900stはまぁそうだよねっていう音がしました。MDR-7506なのですが、イヤーパッドのコンディションが悪すぎて、低音の量感が感じられなかったのです。
  • 以前私が書いたブログで、イヤーパッドによって振動板と鼓膜の距離と容積が変わるので、低音の量感が変化することを書きました。イージーな実験として、ヘッドホンで音楽を聴いている状態で、ヘッドホンを両手で耳に押し付けるようにすると、低音の量感が増えると思います。
  • 偶然の産物なのですが、中華製のMDR-Z1000互換イヤーパッドの出来が良くて、MDR-CD900stに付けて使用すると低音の量感を損なうことなく装着感が改善されることを書きました。その後、MDR-CD900系統のヘッドホンすべてに中華製のMDR-Z1000互換イヤーパッドを装着したところ、音質差が少なくなって極端な話、製品誤差のような感じとなりました。
  • 話はイヤーパッドから離れますが、MDR-CD900stのドライバユニットは、背面の穴が2個空いていてそれ以外はシールで塞がれています。それからご存知の通りミクロングラスが詰まっています。一方、MDR-7506は背面の穴が1個空いていてそれ以外はシールで塞がれています。ミクロングラスは無し。ここからは憶測ですが、両者のドライバーユニットは実は同一のもので、背面の穴のみ異なるっているのではと思いました。というのは、メーカーがローコストに保守パーツの在庫を維持するのに都合が良いと思うのです。背面の穴に関しては、アンブレラカンパニーのホームページで興味深い実験をされています。
  • ヘッドホンもスピーカと同様で、振動板のアコースティックインピーダンスが低い(動きやすい)と、低音の量感が増える傾向にあると思います。両モデルは以下のようにバランスをとっているのではと思います。そして、メーカの意図するところは同一の音質を狙っているように思います。ただし音場に関してはミクロングラスがタイトに効いてくるように思います。
    • MDR-CD900st:穴2個とミクロングラス
    • MDR-7506:穴1個でミクロングラス無し
  • いろいろ書きましたが、MDR-CD900stについて何が言いたいかというと、
    • 正しく装着すると、低音量感不足にはならない。
    • 正しく装着(耳たぶをイヤーパッドに詰め込む)するのは難しい。
    • 正しく装着すると、装着感が著しく悪化する。
    • ミキシングモニターとしても十分使えると思う。
    • チームで使う場合は、装着方法について認識合わせをする必要がある。
  • 個人的にはMDR-CD900シリーズに中華製のMDR-Z1000互換イヤーパッドを装着すると幸せになれました。
  • 余談ですが、学習塾に通っている息子に英才教育の一環として、MDR-CD900st(折りたたみ対応、リケーブル対応、グランド分離、MDR-Z1000互換イヤーパッド)を持たせたところ、行く先々で先生、同級生から「カッコいい」との感想を頂いているようで得意になっていました。世間では完全ワイヤレスイヤホンがもてはやされていますが、ワイヤードの40年前の無骨なデザインをカッコいいと感じる価値観が、思っているよりも多くの人々が持っていることに驚きました。

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